介護の現場では、利用者介助中の転倒だけでなく、移動中や作業中の転倒も発生しており、労働災害として大きな問題となっています。特に、50歳以上の労働者は転倒による骨折等のリスクが高く、重症化や長期休業につながるケースも少なくありません。
転倒災害の統計
転倒災害の発生状況
令和3年の社会福祉施設における転倒災害の発生状況は以下の通りです。
- 発生件数: 4,336件
- 平均休業日数: 44日
- 主な発生場所: 移動中(70.4%)、作業中(29.6%)
- 主な怪我: 骨折(約70%)、打撲、じん帯損傷、捻挫、外傷性くも膜下出血
- 転倒災害の主な要因
介護労働者の転倒災害の主な要因は以下の通りです。
- 何もないところでつまずく、足がもつれる
- 段差、家具等につまずく
- 浴室、脱衣所等の水場で滑る
- こぼれていた水、洗剤等で滑る
- 雪、雨で滑る
- 転倒災害の防止対策
転倒への防止策
転倒災害を防止するためには、以下の対策が有効です。
労働者自身の意識
- 自分は大丈夫だろうと思わず、転んで骨折するかもしれないという意識を持って歩行や作業をする。
- 走らない。
施設内の環境整備
- 段差や家具等の危険箇所を「見える化」する。
- 滑りやすい場所は滑りにくい素材に変更する。
- 水拭き等の後は、乾くまで他の労働者が入らないようにする。
- 利用者への対応
- 利用者の転倒リスクを個別に評価し、適切な介助を行う。
- 利用者の転倒防止のための指導を行う。
教育・研修
- 労働者に対して、転倒予防に関する教育・研修を実施する。
- 加齢等による転倒リスク・骨折リスク
加齢とともに身体機能が低下し、転倒しやすくなります。また、女性は加齢とともに骨折のリスクも著しく増大します。
- ロコチェック: 転倒リスクを自分でチェックできる簡易的なスクリーニングテスト
- 骨粗鬆症健診: 骨粗鬆症の早期発見・早期治療につながる
結語
介護現場における転倒災害は、労働者にとっても利用者にとっても大きな問題です。転倒災害の防止には、労働者自身の意識、施設内の環境整備、利用者への対応、教育・研修など、多角的な取り組みが必要です。


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